書籍の籍が書けませんでした

近所にゲームソフトとコミックス主体の古本屋さんがあります。
今夕、買い物帰りに、本ばかり5冊ほど買って領収書をもらおうとしました。
店員の男の子はたぶん二十代半ば。格闘家みたいな体格で、
それでいてちょっと水商売っぽいというか、どこか世慣れた雰囲気。
(薄化粧もしてるっぽい。夜間、バイトのはしごをしてるのかも。)
そつのない、えらく感じのいいひとでした。
以下、その店員さんとの会話です。

「……お宛て名はどうしますか?」
「カタカナで、イタクラでお願いします」
「『本代』でいいですか?」
「はい、『書籍代』で」
「……あ、やっぱ『本代』でいいですか? えと、書籍の籍って……」
「あ、書きましょうか?」
「お願いします」
店員さんがメモ用紙とボールペンを手渡してくれました。
「……あ、あれ?……書籍の籍って……あれ、ヘンだな」と、わたし(汗)。
「あ、ケータイの辞書に載ってますよね……あ、これですね!」と甲斐甲斐しい店員クン。
「そうそう、これでしたこれでした! いやー、なんともお恥ずかしい!」
「いや、ぼくこそ恥ずかしいです、こんな仕事してるのに。すみません」
「いえいえ、わたしこそ恥ずかしいです……」
わたしのほうがよっぽど恥ずかしいことは言うまでもありません。
「すみません、ほんとに」と店員クン。
「いえいえ、こっちこそですよー! 『書きましょうか』とか申し出ておいてこのザマですから、たはは」
「いえいえ」と優しくお客を気づかう店員クン。
「ってか、だいたいアレですよね、書籍なんて呼び方はそもそも生意気ですよね、気取っちゃってね!」
そう書くようにこっちから頼んでおきながら、ここでわたしはフォローするつもりがなぜか逆ギレ口調。しかも彼に同意を求めるというちんぷんかんな言動に出る羽目に。
「わはは、『本代』でわかりますもんね」と、ちんぷんかんな客に笑顔で合わせる、出来た店員クン。でも心の中では皮肉だったのかも。
「何なんだよ書籍の籍って!って感じですよね。っわっかんねーよ!ですよね(笑)」と無駄にたたみかけるわたし。
「今度から、『本代』って書くことにします(笑)」
「そうしましょうそうしましょう(笑)」……

「籍」は、かつて紙のないころ、竹の札に文字を書きつけて
それを重ねて保存したことから、だそうです。
っですよねー。やっぱなー。そうだと思ってたんっスけどねー、だっはっは。