太棹、マリンバ、バンドネオン

あけましておめでとうございます。
祖母が48歳で亡くなったあとの、祖父のガールフレンドたちを思い出している。祖父は別に何者でもなく、歯医者で手堅く食ういっぽう、プロレス、酒、音楽、落語、旅行、新聞の切り抜きを愛好し、中谷宇吉郎寺田寅彦といった理科系の文筆家に憧れたが、書くのはじつはめんどくさいと思っていたふしがある。「暮しの手帖」を創刊号から持っていた。晩年の趣味は経営学の勉強だった。(ちなみに、この祖父の長男である叔父の部屋には「an・an」が創刊号からそろっていて、学校帰りに祖父宅へ寄ってはこの2誌を耽読したものである。)

祖父はマリンバが上手かったらしい。学生時代、よく芸大の校舎にしのびこんでマリンバを叩かせてもらったという。「上手かった」は母や叔母たちの弁なので、実際どの程度だったかはちょっとあやしい。
ただ、太棹三味線とバンドネオンは、楽しく音を出せる域に達したことがあるようだ。
祖父はこのふたつの楽器をどういういきさつでたしなむようになったのか。祖父の音楽仲間はどういうひとたちだったのだろうか。爺ちゃんは18年前、あの世へ転宅した。少し遠すぎるし連絡手段がないので、聞いて確かめることはできない。
知りたい。そういうひとたちが生きていたら、会いたい。
どっかのだれかが写真とか持ってないかな。(普通の三味線を手にした、宴会の写真だけが数葉、残っている。)
祖父が愛好したのは、クラシックとラテン音楽と邦楽。太棹ってことは、もしかするとロックを好きになるような志向もあったのかもしれないな。

そんでもって、なんだかわたしは最近、自分の素姓の通りの悪さを、すっかりこの祖父のせいにしようとしているみたいっスわ、でっへっへっ。

去年来のお座敷

1月29日、武蔵小山カフェライブ・アゲイン。R&Bやソウルのコピーバンド、HAMASTERでパーカッションとコーラスを担当。楽器はHandsonic(コンガ/スティールドラム)とタンバリン。マービン・ゲイカーティス・メイフィールド、O.V.ライト、アレサ・フランクリン、計6曲。新進気鋭のシンガーソングライター、鈴木晶久さんをだまくらかして(!?)巻き込み、カーティスの3曲を歌ってもらった。多謝多謝!

4月17日、国分寺Club One「P-Razilプレゼンツ ライブです4」。ブラジルの民族打楽器、パンデイロのみのバンド、JINGLE GYMで出演。

4月30日、神楽坂マッシュレコード「神楽坂音楽祭」。オールドロック中心のコピーバンド、巴里野郎をお手伝いさせていただく。エリック・クラプトン、スティーブン・スティルスほか計3曲。生まれて初めて人前でパンデイロを単独演奏、プラス、タンバリンとコーラス。

6月8日、下北沢440(フォー・フォーティ)「小澤敏也ナイト3 生誕半生記祭」。パンデイロの師匠、小澤敏也さんのバースデー記念ライブにJINGLE GYMで出演。

8月23日、六本木スーパーデラックス。
拙ブログでも何度も書いた、腕利きパーカッショニスト11人からなる素敵な素敵な打楽器アンサンブル、オルケスタ・ナッジ!ナッジ!のライブのオープニングアクトにJINGLE GYMで出演!
終演後、ナッジナッジのドラム隊のひとり、久土’N茶谷ほかで活躍する茶谷雅之さんから、「(JINGLE GYMのメンバーの中で)いちばんワルそう。体の動きが横山やすしに似てる」などと言われる。

10月15日、錦糸町Pappy’s。都内のセッションをほぼ総なめにしたらしいメンバーで結成されたらしい――よく知らないのです――ケニー咲沸&ブルースワンダーランドにパーカッションでゲスト参加。奉公仲間のチンくんがドラム叩いてるので、9月のライブを見に行き、飛び入りコーナーでタンバリン叩いたら声をかけていただき、出ることに。

11月5日、錦糸町Pappy’s、ケニー咲沸&ブルースワンダーランドにパーカションで参加。
26日、高円寺JIROKICHI、巴里野郎解散ライブ The Last Waltz。歴代のゲスト奏者もまじえた2部構成。当初、2、3曲のみの参加予定が、なんだかんだで第2部後半の全7曲に参加。Handsonicのコンガ使いが主で、タブラ仕様では「パープルヘイズ」を叩いた! タンバリンも少し。JIROKICHは、言うまでもないことですがとにかく音がよくて、恐怖。セットリストなどはこちら→http://ameblo.jp/h45h1/

12月20日、渋谷・公園通りクラシックス「2011年度プリペアド口琴ラボ年次総会」。口琴の可能性と楽しさを探る実験前衛口琴ユニット(助川太郎、幕内純平、徳久ウィリアム)が活動1周年記念で行なった“年次総会”(ライブって呼んじゃいけないらしい)に、JINGLE GYMで出演。

2012年1月21日、錦糸町Pappy’s。ケニー咲沸&ブルースワンダーランドに参加。
このバンド、このお座敷から選曲がかなりニューオリンズ寄りになり、小物使いを大胆に増やす。パンデイロとタンバリン以外に、カウベル、ワンハンド・トライアングル、トライアングル、シェーカー、カシシ、鈴。
「このバンド、なんかかわいーい!」と客席から声援が飛ぶも、終演後の打ち上げで、「あなただけふてくされてて、それがよい。そうでなきゃ!」とトップバッターのUtchiさんに太鼓判(たぶん)を押された。

2月10日、渋谷テラプレーン。イベントセッションのゲストバンド、ケニー咲沸&ブルースワンダーランドで出演。

3月4日、船橋・無国籍料理 House of Blues 月! ケニー咲沸&ブルースワンダーランドで、最初で最後の月面ライブ。同月31日に月は閉店してしまいました、残念! http://www.blues-tsuki.com/

4月7日、高田馬場・音楽室DX。ケニー咲沸&ブルースワンダーランドが、京都のブルースバンド8823(ハチハチニーサン)の関東ツアーのオープニング・アクトとして出演することとなり、ひきつづきお手伝い。8823のボーカル、酒井ちふみさんのブログはこちら→http://sakachie.blog.shinobi.jp/
14日、国分寺・モルガーナ。P-Razilプレゼンツ「ライブです5」にJINGLE GYMで出演。

そして、来週30日は下北沢440で「ピカイア祭り」だよ。もしよかったら来てね。http://pikaia-pandeiro-special.com/live-schedule/page000368.html

あけましておめでとうございます

盆暮れどころか、年イチペースになってしまったブログ更新ですが、えー、たぶん松がとれるころまでにあらためてもう一度、記事を書きます。

元気ですよん。

もしなんでしたら、Facebookは Itakura Yoshiko、Twitterは yoshibe_xxx へ遊びにきてくださいまし。

寒中お見舞い申し上げます。

えー、予告した更新がのろまで、ほんと、スイマセンです。

バタバタの理由は、今週末29日に武蔵小山のライブカフェAGAINで行なわれるイベント・ライブ。昨秋から、数年ぶりにナマ音遊びに興じております。出演する7バンドのうち、2番目の、ブラックミュージックのコピー・バンド、HAMASTER(ハマスター)でパーカッションを担当します。曲目は、マービン・ゲイのWhat’s going onほかブラックミュージックのわりと深いところ(?)を5曲ほど。http://www.cafe-again.co.jp/ (4時半開場、5時スタート。出番は5時45分ごろ。木戸は1000円)

ボーカルはふたり。カーティス・メイフィールドの3曲を、新進気鋭のシンガーソングライター、鈴木晶久さんにお願いして、歌っていただけることになりました。
http://flavors.me/suzuki_akihisa/#9c6/tumblr

このイベント、武蔵小山のteramuji(「1兆の音楽」の意)なるロックバーの、新年会ライブという名目。かつてのバンド遊び仲間でムサコ在住の浜田優さんがここに通い倒している関係で、うかうかしてたら巻き込まれた次第です。

じつは昨年後半、構想を詰めつつあった2作目の小説が、すごい情けないんですが、めんどくさくなっちゃいまして、渡りに船であっさりナマ音遊びに乗り換えたという経緯もあり。
『ダメじゃん、蟹江クン!』を応援してくださり、2作目に期待していただいていた方々にも、真剣に構想の相談に乗っていただいていたK社の編集者にも申し訳ないのですが、目下はナマ音遊びのほうが断然楽しく、まとまった原稿書きにとりくむ気になれないのです。
えろうすんません。

そして以下は軽いカミングアウトでもあるのですが、一昨年の暮れから昨年あたまにかけて再び股関節症が悪化。各種鍼灸やマッサージ、カイロプラクティックなど何を試しても奏功せず、いっときは杖をついて歩くほどで、約15年前から勧められていた身体障害者手帳(6段階の4級)をついに取得しました。
ところが、藁にもすがる思いでピラティスのプライベート・トレーニングを始めたところ、薄紙を剥ぐように、半年かけて徐々に軽快。そこへナマ音遊びを再開したら、なんと、長距離でなければ7キロ前後の楽器を持ち運べるまでに快復。そんなこともあって、いまは身体を動かしてみたい。ハードな坐業にもどるのは、まだまだ自信がなくて、はばかっているのです。

股関節の不調の正体がいったい何なのか?との疑問も含め、この経験はこの経験として、記録や考察が必要な気もしていて、坐業にじゅうぶん耐える身体にもどりましたら、そして、ショーバイになりそうなテーマとして結実しそうなら、小説ではなく、このテーマでまず書いてみたい気もしますんですが、よっぽどショーバイになりそうじゃないかぎり、めんどくさいので書きません。

あけましておめでとうございます

ごぶさたしています。旧年6月ごろTwitterを開始して以来、ブログの更新をほんとに行なわなくなってしまいました。

一両日中に、あらためて書き込む予定です。

あ、そうそう、Wikipediaの「バニーガール」の項の日本人バニーガールの写真は、わたしではありません(笑)。

『世界街歩き』、コンヤは最高!

先週金曜のNHK『世界街歩き』、トルコの内陸の古都、コンヤ篇がこよなく魅力的だった。紅茶愛飲の習慣、割礼式の衣装店、旋回しつづける神秘の踊り。ハチミツ屋、路地でリフティングをするスレンダーな美少女、路傍で井戸端会議をしながら靴を縫う婦人…。意表を突く展開、驚きの連続!
コンヤの街に暮らす人々は、みんなゆったりとおだやか。おしゃべりに理が通っていてユーモアのセンスがあり、率直さにもはじらいにもその表情に引き込まれた。なんて感じのいい人たちなんだろう。
高橋克実の「旅人ナレーション」も秀逸だった。街を歩いていて、いかにも気安く人に声をかけそうな気さくさと、そういうときの声の出し方。見聞きして気づいたことを味わう内面性と、それをつぶやくときの声の出し方――その振幅がほんとうに魅力的で、ほとんど惚れちまいそうでした。

この番組で女性のナレーションに満足することがなかなかないのは、旅先で気安く人に声をかけたりしそうもない女優が起用されているからではないだろうか?
牧瀬里穂石田ゆり子も中島朋子も、わたしにはそういう人に思えない。自然体で素朴そうに見えても、そこは女優(←マツコみたいな言い方)。かなぐり捨てることのできない自意識に邪魔されてしまうのではないか?
それに、街を歩きながらだんだん自閉してゆき、なぜか子どもっぽい、無邪気な口調になってしまう女優が多い気がする。
プライベートで一人旅をするときの、究極の素顔モードに入ってしまうのだろうか。
見ていて少々気恥ずかしい気がするのは、そのせいだろうか? 

とにかくトルコのコンヤ篇、再々放送などもしあったらぜひご覧くださいまし。