『世界街歩き』、コンヤは最高!

先週金曜のNHK『世界街歩き』、トルコの内陸の古都、コンヤ篇がこよなく魅力的だった。紅茶愛飲の習慣、割礼式の衣装店、旋回しつづける神秘の踊り。ハチミツ屋、路地でリフティングをするスレンダーな美少女、路傍で井戸端会議をしながら靴を縫う婦人…。意表を突く展開、驚きの連続!
コンヤの街に暮らす人々は、みんなゆったりとおだやか。おしゃべりに理が通っていてユーモアのセンスがあり、率直さにもはじらいにもその表情に引き込まれた。なんて感じのいい人たちなんだろう。
高橋克実の「旅人ナレーション」も秀逸だった。街を歩いていて、いかにも気安く人に声をかけそうな気さくさと、そういうときの声の出し方。見聞きして気づいたことを味わう内面性と、それをつぶやくときの声の出し方――その振幅がほんとうに魅力的で、ほとんど惚れちまいそうでした。

この番組で女性のナレーションに満足することがなかなかないのは、旅先で気安く人に声をかけたりしそうもない女優が起用されているからではないだろうか?
牧瀬里穂石田ゆり子も中島朋子も、わたしにはそういう人に思えない。自然体で素朴そうに見えても、そこは女優(←マツコみたいな言い方)。かなぐり捨てることのできない自意識に邪魔されてしまうのではないか?
それに、街を歩きながらだんだん自閉してゆき、なぜか子どもっぽい、無邪気な口調になってしまう女優が多い気がする。
プライベートで一人旅をするときの、究極の素顔モードに入ってしまうのだろうか。
見ていて少々気恥ずかしい気がするのは、そのせいだろうか? 

とにかくトルコのコンヤ篇、再々放送などもしあったらぜひご覧くださいまし。