テレビ・ウォッチャーをウォッチするテレビ番組

わりと近い時期にたまたま見たスマステ「1万人が選ぶ日本人が好きなバンドベスト30」と「題名のない音楽会」がめったやたら面白かった。どちらも、VTRを見ながらあーだこうだ言い合う様子を画面隅にワイプで抜きつつ、まるごとテレビ番組にするという趣向。
前者はユースケ・サンタマリア宮藤官九郎香取慎吾がコンサート映像やミュージックビデオを見ながら、後者は佐渡裕宮本文昭沼尻竜典金聖響がこたつを囲み、ベートーベンの交響曲第5番「運命」を振る世界的な指揮者たちの映像を見ながら語り合う。
番組制作費低迷の昨今、これはもしかすると究極のテレビ番組のスタイルになり得るのではないか。クイズバラエティなんかよりよっぽど面白いんですよねー。ちゃんとしたまとまった批評を期待しない気安さが横溢しているにもかかわらず、ついつい、さりげないリアクションにシャープな本音が見え隠れしてしまうさまが、これでなかなかスリリングなのだ。
サッカーの試合中継なんかも同じことをやったらどうだろう。明石家さんま都並敏史とゴンとトニー・クロスビーなんかが、ゆるゆるおしゃべりしながら熱くなったりならなかったりするところを見てみたい。

産経新聞コラム「断」は、同欄自体が2月いっぱいで終了。ちょうどまる1年、今年に入ってからは5回も寄稿の機会を頂戴しました。本日朝刊掲載の「リーダー不在の小学校」が最後の拙文となります。読んでいただいたみなさま、ありがとうございました! しろぅくん、ありがとねー。
http://sankei.jp.msn.com/etc/090208/etc0902081921007-n1.htm