タイプ別リアクション

「殿方の友人・知人」に何か軽くお世話になったとしよう。
(「男友だち」という言葉は特別な親密さと湿気とブンガク趣味を帯びている。柄ではないのでこの語は避けたい。サガンっぽいっスね、「男友だち」。)
で、わたしが、「うわー、すまんのぅ。お礼はカラダで払いまっさぁ」と冗談をおりまぜて礼を述べたとしよう。
そのときの反応が何種類かあって興味深い。

いちばん気のおけない、つき合いの長くつづきそうな相手は、「おめー、何言ってんだバカ!」とすかさずツッコんでくれるひとである。
「はいはい、それはそれは」とクールにいなしてくれるタイプも、大事にしたいお相手ですな。
多いのは、「またまたそういうことをー」と軽くかわしてくれる、可もなく不可もないタイプ。
「そういうことを言うもんじゃない」とたしなめられたこともありましたね、そういや。このタイプは真面目なので、じきに往き来が絶える。

「え」と発して、そのあとがまったくつづかない残念な殿方は、世慣れる方向へ鍛えられるチャンスに恵まれなかった、お楽しみやお遊びをあんまりご存じないおカタいタイプ。ひとの営みの疎な地域に育った方や男子校出身者に多い。
こういうひとが鈍臭いキャラだと、昔はよく、盛んにいじめたりなぶったりしてしまいましたですね、わはは。
最近は暇がないのでそういうことはしませんし、暇ならするというふうでもございません。

困るのは、真顔で黙りこくるタイプである。
もっと困るのは、やはり何も言わずに嬉しそうにうなずくひとだ。
「うっしっしー!」などと笑ってみせる殿方は、そのふたつに比べればマシだが、できればそのあとに自助努力で何かフォローをひと言、添えてもらいたい。
このタイプは、「うっしっしちゃうやろ!」とツッコんであげるとたいそう喜ぶ、手のかかる甘えん坊さんです。

だがしかし幸いにも、「で、いつ?」と聞き返されたことはまだありません。