春夫の立ち位置は左
ＮＨＫの古い映像で見た佐藤春夫がつぎのように語っていた。
「子供心に文学者になりたいと思って、
嘘から出たまことのように文学者になったわけですけど、
文学者以外の何者にもなれなかったと思う」
「嘘から出たまことのように文学者になった」ってとこで声出して笑ってしまった。
なんだかひとを食ったような口ぶりというか、
他人事のようにすっとぼけてるところが好ましかった。
ふてぶてしくてキュート！
あんまりキュートにつき、テレビに向かって
思わずつぎのように軽くつっこんで差し上げた――ほんでも佐藤センセ、
子どものころから文学者になりたかったのなら、
あながち「嘘から出たまこと」でもないんちゃいますのん？
そうなのです、佐藤春夫はボケなんですねー。
夫婦漫才をやるなら、立ち位置は左です。
谷崎潤一郎から譲ってもらった妻・千代がツッコミをやれたかどうかわからないけど、
千代さんが右ですな。
ちなみにこの千代さん、佐藤春夫に譲られる前、
別の殿方に譲られる話もあったようです。
詳しいことは知りませんが、「譲り、譲られ」というのは、事情はいろいろあるんでしょうけど、
少なくとも字面の印象は円満そうで、よいですね〜。(^-^)
