地獄おやぢのキチガイ祭り

だいたいこの夏の盛りにあの熱苦しい清水宏の単独ライブへ行くというだけで無謀なのだが、無謀さ、無茶ぶりでは本人にひけをとらないと自任する一ファンゆえ、行ってまいりました! 定員約二六〇〇人の日比谷野音の客席は八割以上、埋まってました。

このひとはおそらくマゾというか、川口能活タイプというか、プレッシャーが大きい方が重心が下がって、安定感を発揮するんじゃないだろうか。

元アングラ演劇(?)青年の“道場破り”シリーズは、今回はヒップポップ・ダンス入門。「ひとを笑い者にすること」と「自分自身を笑い者にすること」の、いつもながらの絶妙なバランス! かてて加えてこの度は、素手で闘う度合いがきついと言いますか、己をギリギリまでさらす徒手空拳の構えにいちだんと凄みが加わった――とまぁ猪口才な感想はこのへんでやめておきます。(とてもよいライブだったので、正直、まだあまり語りたくない。)

たしかに熱苦しい(笑)。そして一瞬一瞬がやる気マンマン。でも単細胞じゃないうえ、おそろしく冷徹な観察者なので、自他を斬る視線がシャープなのである。あんなに熱いくせに、どうして同時にあんなにクールでいられるのか?

清水さんのお客さんというのは集中力があって反応が速く、めいめい勝手に、バラバラに笑うところがすごく好ましい。ニホン離れしている。単独ライブ「サタデーナイト・ライブ」を見始めたころから、この印象は変わらない。

――って結局、結構語ってもうたわー(笑)。しかも熱く。だはは。