表現の射程距離

私が尊敬するのは、考え方や感じ方のまったくちがう真っ赤っかの他人、鉄壁の他人と数多く出会い、渡り合い、切り結んできた、経験豊富なひとである。

昨日9日(火)は「栄助・天どん二人会」(下北沢「劇」小劇場)へ。
上とはちょっと違った意味で、赤の他人を知る表現者の表現は届く範囲が広い、射程距離が長いのではないか?てなことを、春風亭栄助創作落語の最新作「状況説明窃盗団」を聞きながら考えた。
芸を育てるのは赤の他人なのだろう。なぁなぁの身内は芸を育てない。つまり芸には、私生活も含めどれほどの真っさらな他人と出会ってきたかという来歴、蓄積及びキャパが全部出るのだろう。

「芸」を「言葉」に置き換えても同じことが言えるかもしれない。