燃え盛る尻を横目にまた町へ

K市でタクシーに乗り、昨日の郵便局強盗の話で盛り上がる。「(盗ったのが)90万程度じゃなぁ。3日くらい逃走したら遣い果たしちゃいますよ」だそうで。運転手さんの、まるで現金強盗やったことあるみたいなディテールの充実した物言いに聞き入ってしまった。

夜は吉井和哉ツアー東京公演初日へ(武道館)。初めてアリーナのAブロックで聴く。
おー、のびのび元気、スタミナぐりぐり。渾身の力をふりしぼるさまに胸打たれる。
菊池英昭氏の不在も、真に「ボートを燃やした」というか、ついに本当にソロ・シンガーになったねやなぁと感じさせられた。

ソロ・デビュー以来ずっと、やや衰えていたように見えていた顔の筋肉がすっかり復活していて、顔つきがグッと明るい。去年までは、体だけはやたら鍛えてるっぽくて、顔との差が顕著だったけど、容色と全身のオーラをようやくすっかりとりもどしている。これでテレビ映りももう大丈夫やわ!――などと親戚のおばちゃんのように見守ってしまいました。
吉井和哉の顔の筋肉を復活させた契機について、やっぱしラブやらロマンスかしらん、と勝手に想像をめぐらす。でも案外、仕事や歌を歌うこと自体かもしれない。あるいはたんにフェイササイズかもな。(^-^)

最新アルバムを聴くかぎり、このひとは、とくに作詞においてはある意味完全にケツをまくったというか、もっぱら自分自身を慰撫し、鼓舞するために、きわめてプライベートに書くことにしたんじゃなかろうか。でも仮にそうだとしても、確かな何かが伝わってくる。キャッチーで滋味のある歌をどんどん書いていきそうな勢いがうかがえて嬉しかった。

ところでどーでもいいんですけど、アルバム・タイトルでもあるツアー名、Hummingbird in Forest of Space を和ちゃん、自分で噛んでて、わろた。噛むよねこれは。あと、あんまり動かずに直立して歌うときに、マイク使いが前川清そっくりに見えた瞬間が何度かあった。音を伸ばすときの声の出し方とマイクを顔から遠ざける流儀、ってゆうかーなんてゆうかー。