手紙の効用

電子メールであれ書簡であれ、わたしにとってある種の手紙は、こっぱずかしいのを承知であえていうなら、コミュニケーションの手段を超えた、祈りに似た心の支えである。たとえ用を足すために書かれたものでも、うれしい手紙、感じのいい手紙、好ましい言葉づかいの織り込まれた手紙は、くりかえし馬鹿みたいに何度も何度も読む。そうやって自分の心をいたわったり、元気づけさせてもらったりする。その手紙が返信なら、こちらから出した手紙も何度も読んだりする。