そして、「ビスケット容器」

hisbeloved2009-04-07

ニホン人が「自分のご飯茶碗」や「自分の箸」を所有し、自分の箸を弁当に携えるための「箸箱」なるものまで持ってたりするのは一部の外国人には奇異に映るらしいのだが、「『生活と芸術――アーツ&クラフツ展』ウィリアム・モリスから民芸まで」(東京都美術館)に出展されていた、イギリスは20世紀初頭のエナメルと真珠貝をあしらった銀製の「ビスケット容器」は、奇異とまでいかずとも、なんちゅうか、印象深かった。
イギリス人は、ビスケットなら何でも、買い求めた品であれ戴き物であれ、元の袋や缶から出して、ひと処にまとめて大事に保存するものであり、その容器が空になるのは、砂糖や塩や小麦粉を切らしてはいけないのと同様、あらかじめ回避すべきことと認識しているようである。
イギリス人が引っ越し先で「最初に空ける箱」には、ティーポットとマグカップだけでなく、ビスケット容器も同梱されているのだろう。


新月と青空照らす桜かな


(写真は同展のビスケット容器には関係ありませんで、友人の娘の背中のタトゥーです。え、湯屋の羽目板並みに背中が広いって? どう見ても壁紙じゃねえかって?)