一琴「初天神」、っおっもしろいですぞー!

一琴さんの「初天神」で死ぬほど笑った(24日、神保町・らくごカフェ)。
いままで聞いたどの「初天神」よりも笑った。
子どもの人物造型がキョーレツで、志ん五与太郎を上回る衝撃だった。デフォルメの流儀がハンパじゃないのである。
この子ども、生意気でもないし、こまっしゃくれてもいない。ただただもうシンプルに、欲の塊なのである。飴が、飴が飴が飴が絶対絶対絶対欲しいのである。団子が、団子が団子が団子が絶対絶対絶対欲しいのである。だから、ある意味、正直で素直な子である。自分の欲求に正直で素直なさまを描くのに、アブナいほどのデフォルメがかかっているのだ。
だがしかし、目先の欲求に忠実な人間がおしなべて可愛いように、なんだかこの子どもが強烈に魅力的に思えた。
そしていま24時間経ってこの高座を反芻している。あれほどの、あそこまでの欲求の表明に、生きることを励まされたようにも感じる。が、そのいっぽう、あの高座から励ましを得ようなんて思わず、ただただバカ笑いしただけで終わってもいいような気もする。エキセントリックだがあれはあの子の真情であって、まっこと清々しいのである!

マジすごいっス。ジャルジャルのコントで笑ってるそこのボクも、綾小路きみまろで笑ってるおばちゃんも、最近声出して笑ってないおとうさんも、みんな笑えるはず。
射程の大きい、野心的な落語だった。