“理解する”よりも“信じる”ことを優先してきた男の半生記

もう2年も前に出た本ですが、『吉井和哉自伝 失われた愛を求めて』(ロッキング・オン)の感想文を某ネット書店のレビュー欄にアップしました。

「自分らしい人生を追求し、ほんとうの幸せを求めようとするとき、客観的な分析やら判断やら理解は、生きるパワーにはならない。むしろ、思い込みや因縁なども含め、訳もわからず信じてしまうもの、むやみやたらと気になるものに進んでとらわれ、それらを手放さないことが力になる。そんな生き方を、おそらくそうとは知らずに地で行っているところ、そしてその挙げ句の喜びや哀しみや苦しみを正面から素直に受けとめているさまに、吉井和哉の魅力が炸裂しているように読めた。いくつかの数奇な偶然のエピソードにも、ニンゲン稼業の醍醐味を感じさせられた。
惜しむらくは、後半、すんなり意味の取りにくい文章とたまに出くわし、ぐいぐい読ませるスピードが鈍ったこと。だが、ファンのみならず広く読まれ、受け入れらるはずの、射程の大きな一書といえると思う。
熱烈なファンではないが、今夏のJ-Waveライブでのステージがあまりにも印象的だったため、再読して筆を執った次第である」

へー、熱烈なファンやなかったんや工場長て。