本気の切実な提案

朝日様や読売様といった大新聞の投書欄で、「『ありがとう』は美しい言葉。もっと使いましょう」といった意見が採用されているのを一度ならず目にしたことがある。この「ありがとう」、なんだかすこうし偉そうじゃありませんですか? だからみんなあんまり使わないんじゃなかろうか。といって、「ありがとうございます」は丁寧に過ぎるし、音節も多いから使い勝手がよくない。感謝の言葉は、1音節か2音節に収まった気安いバージョンがあるとよいのでは?
そこでわたくしは提案します。「ありがとう」は「あざっす」と言い換えることにしたらどうか。言うまでもなく、「ありがとうございます」のカジュアルな縮訳形である。
「どういたしまして」もまどろっこしいから、代わりに、「なんのなんの」ではどうか。「あざっす」と「なんのなんの」、言ったり言われたりするだけで毎日が楽しくならないだろうか? あたしは明日からこれで行くわよー。

ところで、イギリス人よりもアメリカ人が好んで使う――たぶん――感謝のフレーズに、I really appreciate it.というのがあって、わたしはこれもちょいと「上から目線」な感じがしていた。ところが先週、『噂のモーガン夫妻』でサラ・ジェシカ・パーカーがこのフレーズをすごく謙虚な口ぶりで発する場面を見て、ああいう言い方なら、「とてもありがたかったです」みたいな印象になるのねー、と勉強になったのでした。

すごーくおもしろいっすよー、『噂のモーガン夫妻』!