凄みと愛嬌の長見順

日比谷野外音楽堂の「ジャパン・ブルース&ソウル・カーニバル'07」へ。

いやー、マダム・ギター長見順、かっこええわー。そして楽しい!
どなたさまにも訊かれてないのに一方的に表明すると、
わたくし、男女問わず凄みと愛嬌を兼ねそなえたひとが大大大好きなんですが、
マダムはまさにその系統。しかもふうわかとエロく、
とぼけているところも徹底したわし好みぶり(笑)。ギターもピキピキで、
立って弾きながらがに股気味に脚が持ち上がってっちゃったりするのも
可愛いです。歌詞がこれまた笑えるしやねー。
ドラムとコーラスのグレース嬢も、くっきりはっきりきっちり耳目に焼きつきました!

対するギターおやぢ吾妻光良は、この4年くらいで3回くらい聴いたが
この日がいちばん元気でキレキレ。
歌詞を1行ずつ放り出すような歯切れのいい独特の唄い方は、
ユダヤ人を率いるモーゼが海を分けるがごとく日比谷公園の湿気を払っていた。
ギターおやぢ曰く、「ウィキペディアで『ジャパン・ブルース・カーニバル』を調べたら、
自分は今日が三度目の出演と判明」だそう。そんぐらい憶えとけっつうの(笑)!
で初回の7年後に二度目、今回はそれ以来13年経っていて、
「等差数列かと思った」――これで満場を見事につかむ手練れMCぶり。

シカゴ・ブルースのローリー・ベルは、開き直り系や笑える系ではなく、
上手くていい味系のブルースマンでわたしには豚に真珠ゆえ、
これ以上の感想はなんも出ませんのでご勘弁を。
ココ・テイラーは御歳71歳! 平気でえっらい無茶なシャウトしよるんですわー。
舞台袖に車椅子控えてて、終演後、聖路加あたりに直行して点滴――とか
そんな光景を想像し、ヒヤヒヤ、ドキドキさせられっぱなしで蒸し暑さも吹っ飛ぶ。

連れと、柿ピーひと袋空けてビール、という薬膳ランチ(?)で体をいたわったら、
がぜん調子上がり、終演後はシモキタへ。